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パリからの手紙

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フランス流エコロジー
ヨーロッパでエコロジー先進国といえばドイツが断トツですが、フランスでもエコという言葉を目にしない日はないほど定着してきました。
そもそも農業国なので、環境汚染に繋がる農薬の使用には昔から敏感で、近年はBIO=無農薬栽培が盛んになり、目に見えて改善されてきました。前にも取り上げましたが、かつては専門スーパーへ買いに行っていたのが、今や格安スーパーでさえオリジナルBIOブランドを持っているし、公立校の給食もBIOが多くなっています。
「パリはコンビニがなくて不便」とは旅行者からよく聞かれる言葉ですが、24時間ノンストップの電気の消費を思えば、その不便さがエコに繋がっているとも言えます。しかし最近はモノップ(Mono p’)などの小型スーパーがパリのあちこちに現れ、深夜まで営業する店が増えてきました。また、フランスは夏時間を採用していて、これで約10%の電力消費が抑えられています。この問題はエコロジーよりエコノミー問題。高速道路に明かりがなく、各車のライトで走らなければいけないのもエコノミーが発端ではありますが、エコに貢献しています。
私がフランスに来たばかりの17年前、買い物は市場が中心だったためにマイバッグの人が多く、スーパーでもカゴを使わない人がいました。マイバッグに直接商品を入れるので、最初は万引きしているのかと思ってドキドキしてしまいましたが、レジで一旦出し、空になった袋の底を見せてからまた入れ直します。今でもそうしている人を見かけます。
大型スーパーのカルフールではスキャンリブ(Scan Lib)が導入され、各自が小さな機械でバーコードをスキャンしながら買い物をし、マイバッグに入れたまま、出口で精算だけするシステムがあります。これによってレジの列に並んだり、バッグからいちいち商品を出す手間が省けるのです。「すべての商品をスキャンしましたか?」と質問が出るので、読み取れなかったバーコードや割引券を持っているときは係員を呼びます。自己申告では万引きがあるのでは?と思うけれど、出口にガードマンがいて、抜き打ちで検査があります。
さて、ゴミの分別は、緑=普通のゴミ、黄色=リサイクル可能、白=瓶を分けるようになっていますが、これはかなりいい加減で日本とは比べ物になりません。黄色のゴミ箱の中身は新聞紙から空き缶、牛乳パックやドライヤーなどが混在していて、回収トラックも緑と混ぜていたりします。白のないアパートでは瓶は黄色に入れていいことになっているし、コルク栓が付いたままのワインの瓶でも洗っていないジャムやオリーヴ油の空き瓶も一緒。ゴミはビニールで出そうが紙袋で出そうが関係ありません。「出来る範囲でがんばろう!」といった感じ。
また、粗大ごみは市役所のサイトで通りの名前と番地を入れ、項目から「ベッド」や「テレビ」など選ぶと「翌日の何時から何時の間に家の前に出しておいて」と出るので、置いておくと無料で回収してくれます。先日タンスとスーツケースを捨てるのに項目がなかったので「板5枚」というのを選び、20枚くらいの板とスーツケースを置いておきましたが、普通に持って行ってくれました。
エコの最大の難関といえば空気。貸し自転車のベリブに加えて、2ヵ月後には貸し電気自動車オートリブ(AutoLib)が登場します(現在試運転中)。路面電車も増えましたが、車文化のフランスでは今、相乗り(Co-Voiturage)も盛んです。昔のようなヒッチハイクでなく、インターネットで日時と目的地を入れて予約。低価格でエコとエコノミーを兼ねています。
旅行もホテルでなく、住民で泊まらせてくれる人を探すサイトが流行っていたり、“Partager est écologique(=分かち合いこそエコロジー)”で、燃えるフランス人が増えているのです。

木野 真美 Mami Kino

1971年生まれ。ピアニスト。モーツァルトコンクール、日本室内楽コンクール、東京都知事賞受賞。
1994年渡仏。パリ16区在住。現在、パリの音楽学校でピアノを教える傍ら、ヨーロッパの音楽祭や古城でのディナーコンサート等演奏活動を行っている。音楽活動の他に、翻訳や日仏交流イヴェント等にも携わる。プライベートでは、日本人の夫との間に息子がひとりいる。

CDリリース:日本人作曲家シリーズCD『伊福部昭』、『貴志康一』、子守歌集『ララバイ オゥ ララバイ!』
公式サイト:http://www.mamikino.com/
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