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パリからの手紙

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夏のヴァカンス
フランスは「ヴァカンス大国」として知られていますが、本当に驚くほど休みが多く、中でも夏のヴァカンスはフランス人にとって欠かせない、年間の「最重要行事」です。今年も不況の影響があるとはいえ、それぞれが生活レヴェルにあった夏休みを3週間から2ヶ月、工夫して過ごします。
そもそも子供達は9月に学校が始まれば10月末には2週間の万聖節休みがあり、続いてクリスマス休み(2週間)、2月の冬休み(2週間)、4月の春休み(2週間)、5月はキリスト教関連の休みと週末を合わせた4連休が2回に終戦記念日(戦勝国という意識のあるフランスの終戦記念日は日本のそれと大きく雰囲気が違います)、6月の後半は待ちきれない人たちが早々にヴァカンスに発ち始めるので、学校からは前倒しで発たないよう注意が出るほどです。
なぜこんなに休みが取れるのか?それはまず、入学式や学期ごとの始業式、終了式、合唱コンクールや運動会といったイヴェントがありません。学校=みっちり勉強で、授業時間も長く、宿題の量は日本よりずっと多いです。学校では体育と音楽の授業がないので、個人の習い事としてピアノやギター、ダンス、柔道や乗馬などに通います。とにかく学校のある時期は親も送り迎えがあって忙しく、ヴァカンスがないとやってられないわ、という感じです。そんなスケジュールで子供時代を過ごすのですから、社会人になってもその習慣が抜けるわけもなく「休みは重要」と完全にインプットされているわけです。
過ごし方は色々ですが、パリの人は好きな地方の別荘を借りて海辺や山を堪能したり、せっかくだからと海外へ出かけるのが一般的です。計画を立てるのが面倒な人は、インターネットで簡単に申し込むことができるヴァカンスクラブのリストから場所を選べば、宿泊から食事、スポーツやダンスパーティーのオプションが付いたものが1週間単位で選べるので簡単な上、同じヴァカンスを選ぶような同類(?)に出会う可能性も高く、夫婦だけで参加して現地で友人を作ったりできる利点もあります。大人はさすがに子供ほど休みが取れないので、子供の面倒は誰が見る?という問題があり、祖父母の家へ送る、サマーキャンプに参加させて語学やスポーツに励む、離婚している人が多いので、母親と2週間、父親と2週間、元夫婦が連絡を取り合って休みをずらして取るなんていうこともあります。子供のいる日本人は夏休みに入ったらさっさと帰国し、住民票を移して公立の小学校に入れ7月は日本語の強化にあてるという小技を使う教育熱心な人もいます。
それにしてもフランス人の夏休みに対するワクワク感といったら子供のようです。“美白”なんて意識はないので太陽を浴びて元気いっぱい!
私が今まで過ごした中で気に入っているのはコルシカ島。荒々しい自然と野性味のある食事が最高です。ビーチも混んでいない、というより朝ご飯前に場所取りだけして戻ったらまだ誰もいなかったということさえありました。パラソルをレンタルしたいとホテルで聞けば、「パラソル持っていないの?スーパーで買いなさい」といわれるほど、当然な必需品。道がくねくねしていて運転も楽しいですよ。
今年の私のヴァカンスは、パリである勉強をすることと、家族でボルドーへ行ってから日本へ。皆様もお元気で充実した夏を過ごされますように。Bonnes vacances!!

木野 真美 Mami Kino

1971年生まれ。ピアニスト。モーツァルトコンクール、日本室内学コンクール、東京都知事賞受賞。
1994年渡仏。パリ16区在住。現在、パリの音楽学校でピアノを教える傍ら、ヨーロッパの音楽祭や古城でのディナーコンサート等演奏活動を行っている。音楽活動の他に、翻訳や日仏交流イヴェント等にも携わる。プライベートでは、日本人の夫との間に息子がひとりいる。

CDリリース:日本人作曲家シリーズCD『伊福部昭』、『貴志康一』、子守歌集『ララバイ オゥ ララバイ!』
公式サイト:http://www.mamikino.com/
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